月夜の判然

適度に適当に長い文を置いておく場所です

コーヒートーク エピソード2 ハイビスカス&バタフライ 感想

コーヒートークの続編だ!!やった〜!!…と、嬉々として遊び始め、先日クリアしたので感想をお送りします。ネットではゲームのテーマ性からくる、深〜い感想やレビュー文が多いわけですが、そういうのは得意じゃない私としては単純に「良かった…!」って話をします。本文は大きなネタバレ無しでいきますが、おまけ部分で本編のネタバレがありますのでご注意を。

 

 

 

☆どんなゲーム?

 

chorusworldwide.com

 

舞台は2023年のシアトル。夜間のみ営業するカフェ、コーヒートークバリスタとなって、やってくるお客さんに飲み物を振る舞い、その話に耳を傾けましょう…そうそう、この世界にはいろんな『人々』がいるみたいですが、ソレは『普通』の事なんで……

今回は前作からの『続き』のため、やることやシステムに関しては特に大きな変更はありません。

具体的な内容については以前書いた記事にありますので、そちらをどうぞ。

 

lunarhanzen.hatenablog.com

 

 

 

☆前作からの新要素

やることやシステムに関しては特に大きな変更は無いのですが、続編なのでちょっとした新要素があります。

 

○飲み物の材料にブルーピーとハイビスカスの二種が追加したよ!
この店はカフェなのでコーヒー・紅茶・抹茶・ココア…で作る飲み物の数々は、少々地味…落ち着きのあるモノが多めでした。今作では新材料により『青』と『赤』の色合いの飲み物が作れるようになったので、画面がかなり映え…華やかになっています。同時にその見た目もかなり凝っているのがまた良い…気合い入ってますね。

ラテアートは相変わらず無理ゲー

 

○アイテムの受け渡しができるようになったよ!
主人公であるバリスタは、時として落とし物を拾ったり、人から頼まれて物を預かったりすることがあります。たいていの物はなんとな〜く持ち主を推察できたり「○○に渡しておいて!」と依頼されるので、ゲーム性が上がる…というほどの要素ではないのですが(でもコレによるストーリーの分岐はある)、落とし物を拾って持ち主の事を気にかけるぐらいにバリスタはこの店と仕事が好きであり、お客から依頼されるぐらいにバリスタは信頼されている…という事実が、よりこのゲームの体験を彩ってくれると思っています。

自分で渡せよ!…と思うのは野暮である

 

○Tomodachillにコメントが見られるStoriesが追加されたよ!
前作では各キャラのプロフィールが見られる要素だった作中SNSのTomodachill。今作ではコメントが見られるようになっています。本編のストーリーでもSNSとのつきあい方には触れられているわけですが、四六時中書き込んでいるヤツがいたり、メモ代わりに使われていたり、ファンサービス全開だったり、とりあえず日頃のなんやらを書き込んでたり…と、その千差万別っぷりがよりハッキリしているので、こっちも見ながらゲームを進めるとメチャクチャ面白いです。なお、このコメントは当日しか見られず、過去ログが残らないのがまたポイントだと思ってます。だって…イマドキのSNSって…すぐ流れるもん。

これがインフルエンサーってヤツ…?

 

 

☆良かったポイント

○私たちが見たかった『続編』がここにある…!?〜奇妙な星のおかしな街で〜
舞台は変わらず。でも作中では3年経過しております。というわけで、世の中もそうですが、前作で散々飲み物を振る舞った人々にも大なり小なり、いろんな変化があるわけです。その変化が良いことなのか、悪いことなのかはさておき。
今作ではその期待を裏切ること無く、彼らの『その後』と『これから』を見せてくれました。ゲームの『続編』としてこれ以上に嬉しいことはありません。新キャラの二人もこれまでの登場人物には無いタイプのキャラのため、ストーリーを進めていてマンネリといったものは特に感じませんでした。それにはもう一つ理由があって…

 

○おいおいそう来るかよ!?〜夜中のカフェに居合わせる人々〜
前作と同じキャラが続投してもマンネリを特に感じなかったのは、その登場キャラの『組み合わせ』が大きく変わっているのも一つのポイントだったりします。
一番わかりやすい例で言えば…ガラとハイド。前作から登場している彼らは友人同士なのでいつも一緒に来たり、どちらかが先に来て後から合流したりします。もちろん今回もたいていそうなるのですが、同じ場にいるキャラがいつもと違ったり、新たな繋がりが生まれたりします。我々バリスタはソレを見て「何の集団だよ!?」「いきなりこのメンツかよ!?」と勝手に驚くわけです。いやぁ〜面白かったww
それとゲーム冒頭で明かされますが、前作でご新規のお客さんとの『繋ぎ』役になっていた常連客・フレイヤが旅に出て不在となっています。彼女の不在は寂しいですが、今作ではその『繋ぎ』役は必要なかったのです…

何の集団なんだ…(こういうのがよく起こる)

 

○面と向かって対話するって最近してなくない!?〜SNSにズブズブに浸かった自分が忘れかけていたもの〜
『繋ぎ』役は必要ない…そう、前作のバリスタの仕事ぶり(?)によって常連となった前作のキャラたちはその経験により、相手との関わりを持とうとするようになっているのです。今回の新キャラのルーカスとリオナは大なり小なりSNSによって自分の価値観の一部ができている面があります。しかし、この店の常連たちは、面と向かって話しているルーカスとリオナの話を聞き、自身の経験や価値観を元に真摯に彼らに接しているのです。
SNSの発信上では薄めなければいけない、気軽な『自分』ではなく、今その場にいる、真剣(マジ)な『自分』を見てもらう、そして目の前にいる『相手』を理解しようと努める……これほど難しく、ある意味緊張する場面に自分も久しく遭遇していなかったな…と、忘れかけていたものを思い出すこととなりました。

 

 

 

☆惜しかったポイント

個人的にはだいたい満足しているのですが、このゲームの前作からある数少ないキツいポイントの一つである『文字が小さくて見づらい件』については相変わらずだったのが惜しい。全体の雰囲気からの画面づくりとしては完成されているから、しょうがないとは重々承知だけど。
でもせめて飲み物のレシピ項目の『解説文』部分の色合いだけはどうにかして欲しかったなぁ〜〜読みにくい!!
(Switchのテレビモードではなく、携帯モードで遊べばいいじゃん!!と言われたらそれまでですけどね…)

 

 

今作も遊んだ後に心に沁みる、とてもいいゲームでした。引き続き翻訳を担当してくださっている小川公貴さんの、世界観への没入感を深めてくれるナイスな翻訳もとてもよかったです。初めての方はぜひとも前作から続けて遊んで欲しいし、前作を遊んだ方には馴染みのキャラの新たな人生の1ページをぜひ見届けて欲しい…!!いやぁ〜面白かった!!

 

 

 

 

 

☆おまけ

【ネタバレ注意!】いくつかの物語とその感想について

今作でも登場人物を悩ますいくつかの物語が展開されています。その内容についてちょっとした感想を…本編のネタバレとなりますのでご注意を。(それと…『全て』見たわけではなく、1周目クリア時点の感想となるのでご了承ください)

 

○リオナとルーカスの『やりたいこと』の話
新キャラであるリオナとルーカス。二人の出会いは割と最悪な感じで始まります。そんな二人がこのコーヒートークで、そこに来る常連たちと接して自身のやりたいことを見つめ直す…話は本当に良かったです。ファンタジー経験値が足りないため、彼らの種族を聞いて「知らないな??」とググったのはナイショである。
それにしても、リオナは超クール系でとっつきにくいキャラかな…と思ったら、物静かなだけで実はいい人だったし、ルーカスは最初「マジで何なんだコイツww」と思ってたけど、案外話せばわかるってヤツだったので、私も他の大多数と同じく上っ面で判断してしまってたんだな…と、かなり反省したのであった…


○ジョルジ巡査と『奇妙な事件』の話
前作では年の功からくる本質的アドバイスをいろんな人にしていたジョルジ巡査。しかし、今作で彼は事件の調査で結構苦戦します。が、そこは人生経験豊富なのでドンドンいろんな人を頼りまくり。これが普通にできるからスゴい。トンチキな同僚刑事やらがドカドカ入ってきたシーンはメチャクチャ面白かったww事件の真相を知った後の対応がまた粋で流石であり…


○ルアとベイリースの結婚式への道
のっけからTomodachillのコメント欄で「よかった!!まだ仲良くやってた!!」と安心していたが、彼らの『戦い』は次のステージへ行っていたww食い違う意見!募る不安!!いつものやつ!!!…そうです。心境的にはいつぞやのハイドと同じ感情で見ておりました(ヒドい)まあね!バリスタとしては、ベイリースがルアにボコボコにされてるのに「ヒュー!!」っとなるわけですよ!(ラテアートの恨み)……とはいえ、それは「あれだけの困難を乗り越えた彼らなら、何ら心配することないよな!」という信頼の裏返しでもあり…無事に最高の結婚式を迎えた時にはマジで感動した…末永く幸せであってくれ…!!


○ニー…シルバーとアマンダの地球人理解への道
前作でいろんな意味で強烈な印象を残したニールが、名と姿を変えて帰ってきた!!なんと宇宙服姿の同胞付きである。シルバーは地球初心者から脱して順調に任務を全うしてるのかな…と思いきや、まだまだ悩みが尽きなかったのが面白かった。でも以前と明らかに違うのは、同胞のアマンダの力を借りたり、バリスタや居合わせた人の話を聞いて自身で考えたりするようになっていたことであり。そこには我々と地球人と変わらない物を感じました。頑張ってるじゃん…!それと、前作ではある意味腹立たしい存在だったエージェントをついに追い払ったときはマジでテンション上がった。(でもこの人、単純にお給料のために働いていただけなんだよな…)

 

○ハイドさん…大丈夫ッスか??
吸血鬼にとって3年なんて大した事ない時間だと思っていたのですが、ハイドはハイドでなんか燃え尽きて大変な事になっていたwwいや………面白すぎでしょwwしかし、他とは違いすぎる時間の捉え方のなかで、本当に自分がやってみたいことを見つけていくのはとても良かったです。ガラとの仲の良さは相変わらず。時々ちょろっと明かされる過去の話や互いのちょっとした(いらん)情報がわかっていくのは面白かったです。
そう言えば前作からガラの服装が変わってたので転職したんか?…と思ったらそうでも無かったというwwなんか安心したww


○レイチェルの成長に涙するの巻
前作ではもう子供じゃないし!と背伸びしていたレイチェル。そんな彼女は時を重ねる中でメチャクチャ成長していた…!!「(前略)できる人と一緒にやればいいんだもん!」から始まり、リオナの話を聞いてから経験者としてのアドバイスだったり…マジで感動。Tomodachillのコメント欄のファンサービスっぷりも流石プロである。そんな一回り成長した彼女が、家を出ずに父親と暮らすことを選んだ理由にもマジで泣けた…


○アクアとマートルの友情に涙するの巻
信頼できる友人同士となった二人。今作ではちょっとした危機が訪れます。そんなマートルに助け船を出したのは、まさかのルーカス。そう、例え相手を心から信頼していたとしても、言葉を尽くさないといけない時もある……この時私は「ルーカス、お前…ただのチャラ男じゃなかったんだな…」と多少反省することとなった…まぁ、他人の話に聞き耳立てまくってたのはキモいけど。

 

○ヘンドリーとフレイヤの登場にブチ上がるバリスタ
レイチェルが出てきたのでヘンドリーも来ないかな〜でも無理か〜と思ってた矢先に登場してきてマジで嬉しかった。例え一回だけの来店でも、元気そうな姿を見せてくれただけで嬉しい。そして最後にフレイヤが来てくれたのもスッゲー嬉しかった。なんだかんだで、ちょうど寂しくなってくる頃合いだったので。ここで彼女が旅で居なかった間の話をする…という流れになるのもいい。でも…あまりにもいろいろありすぎて、話すのにめっちゃ時間がかかりそうだなぁ~


…以上!!

 

 

(余談ですが…エンドロールの前にあるコメントに、制作側の深い『愛』と『優しさ』を感じました。だからこそ、このゲームが人々の心に沁みる物になっているのかなぁ〜と思わずにはいられません。)