月夜の判然

適度に適当に長い文を置いておく場所です

メガトン級ムサシX 感想 (Ver.2.0.6)

メガトン級ムサシの発売から1年を経て、メガトン級ムサシX(クロス)が配信されました。配信からそこそこ時間が経ってしまいましたが、ようやく一通り遊んだので、感想をお送りします。テレビアニメで放送された範囲のネタバレを含みますのでご注意を。

 

<ムサシX配信までの間に縁あってメガトン級ムサシの公式アンバサダーとなり、アニメの感想ツイートだったり、新情報でちょっぴり騒いだりする…といった相当地味な活動をしていました。その一環でゲームの作り手側の情熱といったモノをほんの少しですが肌で感じることができました。ムサシ…もとい、レベルファイブのゲームのいちファンとしてはとても刺激的ないい経験となりましたが、今回の感想文としてはいつも通りに正直な感想をお送りします。>

 

 

☆どんなゲーム?

◆公式サイト

www.megaton-musashi.jp

◆引き続きアニメも全話配信中!!

www.megaton-musashi.jp

 

メガトン級ムサシXは2021年に発売された『メガトン級ムサシ』の新作になります…が、続編というよりは大型追加コンテンツに近い特殊な状況になっています。具体的に言えば『メガトン級ムサシ』本編にテレビアニメのシーズン2(の途中)相当の物語と対人戦や新モードの追加要素を加えて…まるっと『『無料』』になりました。
「いや、前作遊んだけどーー!!!」って方に対してはセーブデータをそのまま引き継げますし、課金要素の面でも引き継ぎ要素があります。詳しくは下記リンクにて…

 

セーブデータ引き継ぎ報酬 | メガトン級ムサシX(クロス)


本編の物語としては、様々な戦いを経て地球人はついに異星人への反撃への旅路に出ました。もちろんその道程は困難の連続で…新たに登場する場所や魅力的なキャラクター。既存のキャラクターもその役割や主張が大きく変わってきて苛烈な戦いは更なる展開を見せております。いつもながら、物語の概要についてはアニメを見てもらえば十分にわかります。しかし、今回は新たな要素によりゲームで遊ぶことで更に世界観に没入することができました、ここに関しては本当に面白かったです。

 

~2023.05.04追記~

4月27日に配信されたVer.2.3.0にて、アニメのシーズン2の最終回である第28話相当までのストーリーが配信されました。

本来ならこれも含めて別途、何かしらの感想文を書こうと思っていたのですが、実際遊んでみるとあまりにもアニメ『そのまま』だったため、特に感想を書く必要が無いと判断し、メガトン級ムサシXのゲームの感想文としてはこの記事のみとします。

 

☆良かったトコロ

○違和感から安堵感へ、何が真実か嘘かわからなくなったけど守りたいと思える営み

前作では大和たちの暮らす赤城町は、滅亡寸前まで追いつめられた人類が生き抜く上での造られた町であり、人々も記憶操作をされている…という真実を明かすため、その町の人々のセリフには平和なんだけど何かがおかしい『違和感』に重きを置いたモノが多かった印象でした。
しかし今作では造られた町、造られた記憶ということは十分にわかっています。何が真実か嘘かわからない…けれど、大和たちが外で異星人と戦っている裏側で確かに人々は『生活』しているのです。違和感はあるけど、章ごと・時間帯ごとに細かく変わっていく人々の日常のセリフがかえって安堵感になっていくのを感じていました。また、前作ではアーシェムが憑依していた事により本編へ関わっていた明日菜が、今作ではその戦いの物語の舞台から降りた…つまり、日常へと帰っていたのが彼女のセリフから感じる事ができたのも印象深かったです。

こまめに様子を見に行ってみると…?

町の人々以外にも、異星人と戦うオブリビオンベイの人々のセリフも同じように細かく変わっていきます。前作では『新入りで学生のパイロット』といった扱いだったけど、同じように『命を張って共に戦う仲間』として労ったり愚痴ったりする様子は見ていてとても面白かったです。

残念なことに、メガトン級ムサシはハクスラ主体のゲームのため、この面白さはプレイヤーが『意識して』見に行かないとわからないのが非常にもったいないトコロです。しかし、そこに力を入れてくれるのがレベルファイブのゲームの良いところであり、好きなところでもあるわけで…

 

※(個人の感想です)アーシェム操作パートが良かったと思える理由※
今作では大和の他にアーシェムの操作パートがあります。しかし、本編の主人公である大和と違い、物語の大きな鍵となる人物になるため彼女が『どう思っているのか』『どうしてその行動に至るのか』についてはあまり描写されておらず、操作キャラなんだけどアニメで描写されてる事以上のことはわからない…印象でした。
個人的にこのアーシェムの操作パートに大きな意味を感じた瞬間は、ソロンの人々がイクシアに来て東郷門で生活を始めたところにあります。アーシェムの視点で過酷な環境で必死に生活しているのを見てきた人々が、それを忘れて全く違う生活をしている…本編中に同じくソロン出身でパイロットになったシズカが「知ってた人間が変わったのを見るのは、インパクトが大きい」と述べるシーンがありましたよね?なんとアレを疑似的に経験する事ができたわけです…赤城町は既に造られていた町ですが、東郷門ではその造られていく課程が嫌でもわかってしまう……これがアーシェム操作パートがあって良かったな…と私が思える理由です。
(でも…合流するまでアイテムや機体が全部別カウントなのは嫌だったけどな!!)

 


○滅亡世界のナゾ解明!?シェルタークエス
本編の物語ではイクシア以外のシェルターがことごとく壊滅しているのを見せつけられ、異星人の侵攻の非道さを感じられるものとなりました。
ゲームではシェルタークエストによって『他のシェルターはなぜ壊滅したのか?』『イクシア以外のシェルターは異星人に対抗できなかったのか?』に迫る事ができ、世界観の深みが増すこととなります。そして更にナゾがナゾを呼ぶことになるわけですが…ぜひ実際に遊んで確認してみてください。

状況やデータから推理するしかないが…?

 


○雑に稼ぎたいから助かる!?トレジャーミッション
今作では通常のミッションの他に、アイテムを消費して挑戦できるトレジャーミッション(名称変更前はエンカウントミッション)があります。これは経験値やクレジット、武器、ローグパーツが多く入手でき、ミッションの内容も『ザコ敵をひたすら殴る』という単純明快である意味爽快なものです。周回嫌いな身としてはとても嬉しい仕様じゃん…と喜んで遊んでみたのですが、実際は一番欲しい回路開発の素材についてはてんで集まらないのであった…(それ以外に関しては良かったので、良かったトコロにカウントしました)

気持ちとしてはもっとたくさん欲しい…

 

 

○今作もあります!アナザーストーリー2
前作でもメインキャラの違った一面が見られるアナザーストーリーが今作もあります!特に最初の印象では『切れ者ライバルキャラ』の風格を放っていた九世がアナザーストーリーではだいぶ面白い事になってますので、ぜひ。見るための条件となるアイテム集めも前作より遙かに簡単になってます。

思っていた以上に面白いヤツだった…

 

 

○改修されてます!増設ユニットセットメニュー
前作から複数回のアップデートを重ねてきたのもあって、カスタマイズ周りのメニューはだいぶ使いやすくなりました。
個人的にはローグのパーツや武器に効果を付ける『増設ユニット』がローグのカスタマイズ画面から直接セットできるようになったのがすごく便利だと思いました。セットする増設ユニットの選択画面も同じモノでも『効果の数値が高い順』に並んでくれるので『とりあえず強い効果のヤツを付ける』という雑カスタマイズができるのはありがたい…!

とりあえず数字が大きいヤツを付ければいいや…

 

 

○出戻り勢でもなんとかなる?本編ストーリーミッションの難易度選択
後から本編のストーリーが追加されると聞いて一番心配したのが『周回嫌いなエンジョイ勢でもクリアできるか』といったものでした。
これはレベルファイブが以前世に送り出した妖怪学園Yにて、大型アップデートで追加された本編ストーリーのクリアにかなり苦労したという、苦い経験をしたから心配した事でしたが…メガトン級ムサシに関してはストーリーミッションでも難易度が選択できるため、順当に遊べばそこまで苦労せずにクリアはできる……ハズです。
(少なくともノーマルの難易度なら雑カスタマイズでも何とかなった感じでした)

 

 

 

☆新要素について

新作扱いの大きなアップデートになるため、たくさんの新要素が追加されています。さすがにちょっと多いので、特に語りたいポイントだけ…

 

○コロシアムバトル
3VS3の対人戦ができるようになりました!本編とは違った戦い方ができて楽しそう〜〜!!と、前情報では楽しみに思っていたのですが。
6人の人間がいないと対戦が始まらないため、全然マッチングしない……遊ぶ時間も限られている身としては「やめやめ!本編進めないと終わらん!」と、配信直後以外は全然ふれる事がありませんでした。
コロシアムで戦う機体は専用パーツのみ、しかも回路開発とマザーボードもある…そして何より最初は初期機体から始める…戦わなくては強くなれない、でもそもそも戦えない…という気持ちから億劫さが出てきてしまい、楽しさを感じる前に諦めてしまいました。本編ミッションでもコロシアムバトルのパーツは手に入るのですが、そんなにジャブジャブ手に入らないので「気分転換にやろう!」とまでは行かなかったです。

 

 

○要塞攻略戦
新たなゲームモードとして追加された要塞攻略戦。複数のステージからなる巨大な要塞『ゴッドハンマー』を外側から攻めていって中央のボスを叩く…といったバトルが楽しめます。最初はちょっとめんどくさいな…と思ったのですが、この各ステージのバトルが『スリップダメージを食らいながら戦う』『特定の属性の攻撃が強くなる』『近接攻撃の威力が上がる』といった特殊ルールの元で戦うため、戦い方やそもそもこのステージを攻略するかどうか…といった面で考えたり、ステージクリアでもらえるエンブレムの特殊効果のどれをもらうのか…を考えたりと、通常のミッションとは違った遊びができて結構面白かったのでした。

実際遊んでみると面白いんだよなこれが…

それだけに、中央に待ち受けるボスが異常に強すぎて倒せず、一気にげんなりしたのですが…無念。中央のボス以外の周囲のステージは全部普通に攻略できて面白かったのになぁ…

ムリです。

 

 

○異界通信(試験放送)
ゲーム内で聴けるラジオのような音声コンテンツである異界通信。なるほどゲームをしながらラジオ番組を聴くようなイメージで遊べるという試みはかなり面白いな!と、その発想には関心したものです。
ストーリーやミッション中に聴ける…のですが、このゲームのキャラのセリフはメイン・モブ問わずフルボイスのため、ストーリー攻略中にマップを徘徊してセリフを見て回る時には放送を聴いていられなかったのと、私自身のフリーミッションの周回嫌いという性格、そして放送時間のタイミングでは遊んでいない…と、残念ながら自分のゲームプレイのスタイルとは合わなかったのでした。無念。

 

 

○バトルでの空中移動
メガトン級ムサシのローグによるバトルはその巨体に反して、キビキビと動く派手なアクションが面白さの一つだと思っております。ブースト移動で地上をダッシュする他に、今作ではアニメでもあった360度のお楽しみ…の空中戦ができるようになりました。空を飛ぶってやっぱり楽しいよね!!

空を飛べるってサイコー!!

 

 

 

☆前作の惜しいポイントについて

前作の感想で惜しいポイントとしてグチっていた件について、ちょっと書いておきたい事がありますので、この場で少しふれます。

 

○ロックオン機能ってそういうことだったの!?(いつもの)
ロックオン暴発にイラつくぜぇ…と書いていたのですが、あまりにも気になったので改めて説明を見直したところ『ロックオン状態で右スティックを動かすとそのターゲットが切り替わる事』を今更ながら知りました…ロックオンしながら、カメラを動かすつもりで操作してたのでそりゃ暴発してると勘違いするわ…文句言ってごめんなさい!
これで解決かと思ったら、新手の敵であるワームやモグラが地中に潜る旅にロックオンが外れたり、要塞戦で高台にある砲台にロックオンが引っかかったり…と、やっぱりカメラ周りにイラついてしまうのでした。こればっかりは自分との相性が悪いとしか言いようがない…

ここは終わったんだから、先に行かせてくれ…

 

 

○射撃武器でガードブレイクができるようになったけど…
文字通りです。前作で不満だったポイントが解消されてありがたい反面、このガードブレイクができるようになるには回路開発で該当のスキルを取らないといけないし、それはゲーム開始直後からできるわけではない…という部分がどうしても納得いかないのでした。近接攻撃のガードブレイクはデフォルトでできるのに、なぜ射撃だけすぐできないのか…というのもあるのですが一番の不満は『バトルでの操作手段の拡張のために素材を使わせるな』と思ってしまうわけです。周回嫌いなのもあって、ただでさえ集まらないのに…

だから回路開発が進まないんだよ…

 

 


☆それでもやっぱり惜しいポイント(と言う名のグチ)

○世界観に浸ったからって強くなるわけではない
前作そして今作と、メガトン級ムサシのゲームの本編ストーリー中でのモブキャラのセリフにおける世界観への没入感は近年のレベルファイブのゲームでトップクラスに面白かったです。しかし、このゲームはハクスラが主体のゲーム性のため、マップを徘徊して世界観に浸ったからといって自機が強くなることは全くもってありません。大きな物語のあるRPGハクスラのバトルシステムが噛み合っていないのが、なんかもったいないというか…自分が周回嫌いでなければ良かったんだけどなぁ…

 

 

○実は回路開発が前作クリア時からほとんど進んでいない
先述の通り、バトルでの操作手段の拡張に素材を使わせるな…の最たる結果がこれです。自機で気持ちよく暴れて敵を倒したいので武器のコマンドを増やしたい…と優先して回路開発をしたら、全く進まず。マザーボードのカスタマイズは前作クリア時からほとんど変わっておりません。使える必殺技も増えてません。素材不足で新武器であるランスのコマンドも増やせず、そうなるとランス自体を使う気になれず…といった有様でした。カスタマイズについては完全に脱落してしまった形となっております…無念。

必殺技やカブキファンクションも全然…

 

 

○もしかして自分は勘違いしていたのでは…?
前作をクリアして今作を始めた頃合いで自分はメガトン級ムサシを『ロボットアクションゲーム』と勘違いして遊んでいた事に気づきました。実際のところはアクション部分に重きを置いているのではなく、ハクスラによる数値のカスタマイズに重きを置いている『ロボットハクスラゲーム』だったわけです。この感想文にて「周回が嫌い…」としきりに書いていた自分とはそもそも相性が悪かったので、惜しかったポイントという名のグチはこのゲームをちゃんと理解できていなかった自分の至らなさの現れかもしれません。ちょっと悩みましたが、素直な感想として書かせてもらいました。

 

 


☆最後に

…というわけで、(現バージョンでの)本編をクリアする分に関しては安定安心(?)のレベルファイブなゲームでとても面白かった反面、新要素の数々や、やりこみ要素についてはゲーム的な面で自分の遊び観とはちょっぴり合わなかったのかな…と感じる部分もありました。こればっかりはしょうがないと自分でも思っております。
まずはひとつ、各々遊んでみて判断してもらえたらと。なんだって『無料』ですので…

今後のアップデートで本編の物語はどこへ向かうのか、システム面で新たな要素や改修があるのか……メガトン級ムサシのこれからを、いちファンとして楽しみにしております。