月夜の判然

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ガールズRPG シンデレライフ 感想

レベルファイブが送る価格破壊…3DSソフト(やけくそ)セールが最後となる間にこのゲームを紹介したくて夏に遊び始めたんですが、面白さがわかるまでに地味に時間がかかってしまい…今更ながらクリアしたので感想をお送りします。

 

 

 

☆どんなゲーム?

www.cinderelife.jp

 

シンデレライフは仕事やおしゃれなど、女の子の生活を体験するガールズライフRPGです。ただ、このゲームが近年の他のレベルファイブのゲームと一線を画した存在となっている大きな理由は…このネオジェンヌと呼ばれる『お仕事』がキャバ…夜のお仕事であり、対象年齢が15才以上となっているということです。私も当時は(積みゲーが多すぎるのもあったけど)「う〜ん…??」と思って遊ばなかったのですが、実際遊んでみると……

 

 

○画面づくりがめちゃカワイイ女の子向けゲームなのにCERO:C!?ある意味唯一無二の存在感を放つゲーム

まず遊んでみればびっくりするのはメニュー画面から「かわいいじゃん…!」の連発。夢のある(?)物語の始まりや、ドレスからコスプレまで多種多様な服やアクセサリー、アバターである自分や登場キャラの細かい動きや、おしゃれな街の施設たち。女の子の夢が詰まったような画面……に突如出てくる夜のお店とお酒とドンペリとぶっ飛んだ金額であるwwここで「このゲームは対象年齢15才以上のオトナなゲームやったな…」と思い知らされるわけで。この微妙に噛み合わない感じが最初は居心地が悪かったのですが…慣れればそれも唯一無二のポイントなのかな〜と。

ビックリするほどカワイイな!?

ちなみに、お店で買い物すると主人公がショッパーを提げて歩く姿に変わるのも、レベルファイブのゲームらしい芸の細かさです。

ちゃんとお店によってショッパーも変わる芸の細かさである

 

○ノーヒントでお客様を満足させろ!?接客はバトルだ!!

この世界の主人公がする『ネオジェンヌのお仕事』であり、このゲームにおけるRPGの『バトル』に相当するのがお客様への『接客』。
お客様に合わせた会話、振る舞いをしてポイントを稼いで満足させる…んだけど、リアルの接客のように開幕はノーヒント。回数をこなしてお客様ごとに話題の振り方を覚えていく…のはリアルでいいのですが、コミュニケーションが苦手な人間にとってこの選択肢を選ぶのが難しく、考えて選んだ選択肢に対してイマイチな反応だった時の悲しさもあったりして、最後まで苦手のままでした。数多くあるキーワードから話を振ったりもするんですが、これも相手に響くモノを選ぶのが難しく…
私がそういうのが苦手…なのは置いておいて、なんでこんなに難しく感じるのかな〜と遊びながら考えていたのですが、選択肢に関しては『賛成』『反対』『共感』がゲーム的にわかりにくいのも原因かな…と。もちろん文をよく読めばわかるハズなんだけど、相手に『どんな傾向の発言』を叩き込めば響くのか…が一発でわかりにくいのがもどかしく…そこがある意味リアルっちゃあリアルなんですけどね。キーワードに関しては加点されないモノについては選択不可にしてくれたら良かったかな。加点の大・小を選ぶぐらいが遊びやすいような。

ここだけ切り取ると『接客』システムが難しく感じられるかもしれませんが、会話の選択肢を選ぶ以外に単語並び替えや主人公の見た目で開幕にポイント加点はありますし、最終的にはステータス上げれば何とかなるのでご安心を。そこはやっぱりRPGだったww

困ったらドンペリ出すしかねぇ!!

 


☆面白かったところ

○幸せを運ぶ蝶を巡る物語〜世界、救っちゃいます!!〜

主人公は田舎から来た女の子。幸せを運ぶ蝶の伝説がある、このネオ銀座でひょんなことからネオジェンヌとなり、お客様を満足させつつ…世界を救っちゃいます!何を言ってるかわからない…と思われそうですが、不思議なことに本当に救っちゃうんですよ、世界。ちょっと気になる展開もありますが、最終的には森本レオさんのナレーションで(いい意味で)どうでもよくなります。強すぎる。
基本的にはおつかいしてイベントをこなすわけですが、要所要所で物語のキーとなる人物を『接客』し、その内なる本音を聞き出したりするところもこのゲームらしい物語の進め方だな〜と思います。ただし、あくまでも『接客』なので相手が『どんなヤツでも』多少のヨイショが必要となりますが…主人公はネオジェンヌなので…。
余談ですが…長らく社会人やってる身としてはキャッスルで働く同僚で友人のいちか、先輩の紫音・美麗、そして栗崎店長がいい人なので本編を進めるにあたってストレスが無かったのも面白かったです。(これは完全に個人の感想ですが…)特に紫音センパイ、自分にも仕事にも厳しいけど、優しさのある、プロの先輩を体言するマジでいい人なんですよ…

 

○ちょうどいい街、ネオ銀座
物語の舞台であるネオ銀座。よくあるRPGのように雄大な土地ではないのですが、買い物から飲食まで幅広い種類のお店があり、エリアごとに風景に特色もあり、章ごとにモブキャラのセリフが変わったり、主人公のコメントが見られる、調べるポイントもけっこうあり……狭くないけど全部回ってもそこまで疲れない、ゲームとして楽しむのに見事に『ちょうどいい』サイズ感なんです。でも主人公の移動速度がちょっと遅いのと、ファストトラベルに相当する移動がタクシーで『有料』なところがちょっともったいないかな…まぁ稼げば最終的には気にならなくなるけど…


○キャッスルとエクスカリバーでの客層の違い
主人公が働くお店『キャッスル』は格式高いお店…なので、来店する客層が比較的落ち着いた雰囲気なのですが、やっぱり幅広いお客様を見たいなぁ〜と思う頃合いに出てくるのが『エクスカリバー』という新手のお店です。店長同士が知り合いということで主人公がこのお店に手伝いをすることになるのですが、こっちに来るのお客様がまぁ〜個性派揃いで。最終的にはいろんな男性の相手をすることになります。そこはもちろん面白ゲーム制作集団レベルファイブ、ただのイケメンやイケおじを揃えるだけではなく…詳しくは公式サイトをご覧ください。

 

~キャッスル~

www.cinderelife.jp

エクスカリバー

www.cinderelife.jp


ちなみに…私は尾上センセの接客が楽しかったです(小声)


○どういう集まりだよ!?コラボキャラのナゾの人選
このゲーム、他の作品からコラボキャラが来店するんです。それ自体はゲームの面白い要素の一種になるんですが、そのあまりの衝撃的な人選に発売当時、誰もが「何でこの人選なんだよ!?」と困惑することに。その人選は…実際に見てもらいましょう…

 

www.cinderelife.jp

 

…いや私、一番よく知っているのはイナズマGOの円堂と鬼道ぐらいなのだが!?と、このページを見て困惑するわけですが、あらかじめ『来る』と知っていても実際にゲームで見ても困惑しますwwこんなメンツが集結するネオ銀座、マジで怖すぎる…
一見渾身の一発ネタのように見えるのですが、声優さんは実際のアニメと同じ方が担当されていたり、そのコラボキャラを象徴する元ネタが入っていたり、余所からキャラクターを借りるだけあって手を抜かない、気合い十分である。
そしてコラボキャラのストーリーが、実は本編ストーリーより『ネオジェンヌとは何たるか』を一番ド直球に描いていたり…と、元ネタを全然知らなくてもメチャクチャ面白かったです。完敗だわ…ちょっと道のりは長いのですが、このコラボキャラのストーリーは全部見て欲しいですね…

それにしても…泥棒やセールスマンやギャンブラーや地上最強など…無法者が来客しまくって事件沙汰になりやすい、エクスカリバーがある意味かわいそうである…八神店長、大丈夫ッスか…??

この状況に笑わないでいる方が無理である…



 


☆ちょっと惜しかったな…

約10年前のゲームに対して惜しかったポイントを書く…のは少々野暮かもしれませんが、せっかくなので思ったことは残しておきます。細かいことだけどさ…

 

○ファッションゲーのように見えて狭まるコーデの幅
ネオジェンヌのお仕事をしてお金をガンガン稼ぎ、好きなファッションでコーデを決めよう!という目的もあるのですが、残念ながらこのゲーム、主人公のステータスが服装・髪型・メイク…によって決まるものでして。つまり、主人公のコーデはRPGで言う装備品に値するのである!!お金が稼げずステータスが低めの序盤から中盤ぐらいまでは自分のスタイルを貫けない可能性もあるかも…?最終的には好きなコーデで貫き通せるけど…ちょっともったいないかな。
(それと…展開の面で仕方ないとはいえ、最終決戦は強制的にお着替えさせられるのだけはちょっとガッカリしたな…せっかく気合い入れてキメてきたのに…)

 

○まとめ買いさせて欲しいし、髪型とカラーをばら売りするな
ゲームなのでお金をガンガン稼いだら…バンバン使いたいですよね。ネオ銀座は物価が高めなので「買い物って楽し〜~い!!」となるのですが、それだけにお店でまとめ買いができない仕様なのがもったいない…やりたかったよね「ここからここまで全部買います!!」ってやつ。
ただ…お金を使う目的があるのはいいのですが、髪型と髪色の売り方だけは、どうしても納得いかなかったです。このゲーム、髪型と髪色がセットになっていて『黒髪のツインテール』と『金髪のツインテール』は別区分扱いなのですよ…コーデ、やりにくくない???(だいたいのゲームって髪色で黒髪or金髪、髪型でツインテールって扱いになるような…)

 

○クリア後の目標欄が……変わっていない?
レベルファイブのゲームにしては珍しく、本編クリア後に下画面の目的欄が『最終決戦に向かおう』のままになっております。だからといって特に困るって訳ではないのですが、他のポイントでは凝っているのにここだけそのままなのは…なんかもったいないな〜と。

 

 


☆おまけ:オトナになって染みる、日常生活範囲での人と人の『幸せ』のリレー

シンデレライフは本編のストーリー、スペシャルエピソード(コラボキャラのストーリー)の他にもう一つ、リクエストエピソード(いわゆるサブクエスト)があります。
ネオ銀座で生活する人や主人公に関わるメインキャラが依頼してくる、よくあるおつかいイベント…なのですが、解決には主人公自身の足で歩き回ったり、お客様の接客の時に相談したり…と奔走します。それにより依頼してきた人が幸せになったり、違う一面が見られたりするわけですが…この最後に解決する、あるリクエストエピソードの終わり方で「そうか…大都会で忘れがちだったけど、これも幸せの形の一つなんだな…」と改めて沁みたものです。たぶんこれは…このゲームの発売当時の自分では感じることのできなかった気持ちでしょう。更に年齢を重ねた今のタイミングで遊んで本当によかったです。
ゲーム的に当たり前にこなしてきたけど、コレを見た瞬間になんだかとても嬉しい気持ちとやって良かったな…という気持ちがこみ上げて来るのはとても新鮮でした。その後のメニュー画面のある項目の演出も粋です。すてきな思い出を…ありがとうね…

 

 

 

ゲームの雰囲気が独特なので、合う合わないがあるかもしれないけどレベルファイブが送る一風変わったRPGとして、遊んでみて面白かったです。公式サイトを見て気になった方はぜひ遊んでみてくださいね…!!

(セール…終わっちゃったけど…)