月夜の判然

適度に適当に長い文を置いておく場所です

Caligula2(カリギュラ2) 感想

前作カリギュラODを遊んだ後に小説版、アニメ版、エクストリーム帰宅部を経てからの、満を持しての続編に突入です。いやぁ〜〜相変わらずスゴいゲームを遊んだな…そんな風に感慨深い気持ちになりつつ、割とふつうの感想文をお送りします。そんなに大きいネタバレは無いつもりです。

 

 

 

 

 

☆どんなゲーム?

www.cs.furyu.jp

 


理想(おまえ)に、現実(じごく)を見せてやるーーー

 

舞台は仮想世界リドゥ。謎の『バーチャドール』リグレットの歌によって誘われるこの世界は「あのとき、ああしていれば…」をやり直すことができる、後悔のない理想の世界………から帰ります!!
ある時、突然やってきたもう一人の『バーチャドール』キィと出会ってしまった主人公は同じく現実の世界の存在を認識してしまった仲間達と共に『帰宅部』を結成し、現実への帰宅を目指すぞ!!
帰宅部の活動は、リドゥ住民からしてみれば即ち世界を破壊する行為。ソレを許さないのはリドゥを創造するリグレットに力を与える『オブリガードの楽士』や、リグレットを崇拝しすぎて襲ってくるデジヘット、そしてリドゥの神とも言えるリグレット…敵は多くて強大だが、果たして帰宅部のみんなは現実へと帰れるのか??
(今回も超ざっくりな説明なので、詳細が気になる方は公式サイトを要チェックだ!!)

 

 

 


☆良かったポイント

 

■誰しも大なり小なり経験する『後悔』と向き合うということ。

リドゥにいる人々はリグレットの力によって『後悔』をチャラにし、ソレとは無縁の理想の姿と生活を得ています。それは帰宅部のみんなも同じです。主人公は帰宅部部長として、そして彼らの友人(それと…他の意味合いもあるかもね…)として、彼らがそれぞれ抱える『後悔』に踏み込むのかを選択できます。もちろん、踏み込まないという選択もできます。
このタイトルにも引っかけた『キャラクターの内面に踏み込む』というのは前作でもあったのですが、今回はその意味合いがちょっと変わったような気がした印象でした。なんというか…前作では「よっ!!おじゃましまーす!!!」と、言いながら土足でドカドカ入って行ったのが(ヒドいな…)、今回はドアをノックして…中に入って…靴脱いで…「失礼しまーす…」と、ちょっとずつ入っていくというか。
そして目の当たりにした『後悔』に対してどう向き合っていくのか…個人的には明らかになる『後悔』の内容よりも『ソレとどう折り合いをつけるのか』に惹かれた感じですね…深く語りたい気持ちはあれど、それは同時に自分の語彙力と心の在り方の指針をさらけ出す事とイコールになってしまうので…胸にしまっておきます。
しかし、彼らに言葉をかける部長の選択肢、相変わらず厳しい〜〜〜!!!

 

 

■遊びやすくなってる!!独特なバトルシステム

一応よくあるRPGのコマンドバトルです。相変わらず説明が難しいので詳細は公式サイトを見てください。
前作と大きく変わったのは攻撃の行動が一人1回になったということです。また、突撃・射撃カウンターやガード破壊のスキルを持つキャラが増えたので(前作はできるヤツがえらい偏っていたんだよなぁ…)戦闘に出すキャラクターの組み合わせをより『趣味』で選びやすくなった気がします。
前作にあったイマジナリィチェインは今回も健在で、未来の予測から行動の調整をかけてコンボを繋いでいくのですが、今回はちゃんとヒットレート(命中率)が仕事をしています。90%でもちゃんと当たる…!
なにより一番良かったのが、戦闘画面が前作より遙かに見やすくなっている事です。攻撃スキルや補助スキルの使用時の表示が『誰』が『何』をやっているのかわかりやすい…!相手の攻撃の種類がわかりやすい…!先述した突撃・射撃カウンターの攻撃は相手がその種類の攻撃をするときに仕掛ければカウンターを取ることができるのですが、前作はその『相手がする攻撃の種類』がメチャクチャわかりにくく(表示が小さすぎた)とかく見えないので適当に突撃カウンターを選んでイマジナリィチェインで見ると「射撃攻撃やったんか…」となるパターンも割とよくあったので…

 

 

■二人のバーチャドールが歌う、有名コンポーザーが手がける魅力的な楽曲たちをくらえ!!

今回も帰宅部の行く手をふさぐ敵とのバトルのBGMは楽曲です。ネットを中心として活動している有名なサウンドコンポーザーがオリジナルの楽曲を提供してくださっているとか。しかも前作とはまた違う人たちが参加されているとか。相変わらずフワッとした書き方なのは、相変わらずその辺について詳しくないわけであり…ごめんなさい!!
ダンジョンではインスト版で、戦闘に入るとボーカル版になったり、ボス戦ではアレンジ版になっているというBGMの巧みな使い方は今回も健在なのですが、戦闘中の背景が歌詞が出てくるリリックビデオになっていて、楽士の後悔を予測できるその歌詞がより痛烈に刺さってくる形となっております。
基本的に楽曲を歌うのはリグレットなわけですが、フロアージャックというシステムによって同じ曲をキィも歌うことができるわけです。人間の悲痛な感情を理解するかのごとく歌い上げるリグレットとは対照的に、自分の思うがままに自由奔放に歌うキィの歌い方により、同じ曲なのに全く違った印象に感じるわけです。すごいなぁ~。

 

 

■文字がデカくなってる!!

Q.どういうこと?

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これが前作、カリギュラOD

 

A.こういうことです。

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こっちが今作、カリギュラ2



私が遊んだのはSwitch版ですが、ようやくTVモードで遊びきることができました…

 

 

■ちょっと嬉しかったこと

ゲーム内にはWIREというメッセンジャーアプリがあり、帰宅部の面々とやり取りをすることによって彼らについてより深く知ることができます。これは前作にもあったのですが、今回はマップを歩いているときに画面左下にちょっとした会話が表示されるようになりました。軽口から真剣な会話まで、雑談じみた内容が多いんですが、これによってより帰宅部のみんなの性格や関係性について深く理解することができるわけです。あと、単純に内容が楽しい!!そしてついに会話ログが実装されました!!(実は前作には無かったんですよ…)戦闘などでこの画面下の会話を見逃したとしても、ばっちりログが残っています。これは本当にありがたい…!!

 


☆なんか惜しいポイント

 

■かなり良くなったけど、できれば何度も訪れたくないマップ

前作で『これだけは擁護できない」』と言っていたツラい構成のマップ。何がツラかったかというと、無駄にだだっ広い、代わり映えのない景色、迷路のような構成、敵を避けきれない通路の狭さ…という面だったのですが、今作ではそのツラさがかなり解消されていました。(一部を除いて)レベルを上げながらボス戦へ挑めるちょうど良い広さ、仕掛けによって変わる景色と進みやすい構成、その気になれば戦闘を回避できる通路の広さ…この劇的な変化は最初のマップの時点で「おっっ!!!」と、関心したものです。ただ…因果系譜のクエストを進めるために『何度も』往復するのはやっぱりキツかった…せめてそのマップをクリアしたら通路をふさいでる障害物が消えてくれれば良かったのに…!!!

 

 

■ちょっとキツかった因果系譜
前作ではその数が膨大過ぎて完全スルーしていた因果系譜。今作ではライトな作りのクエストになって遊びやすくなりました。ある共通項によって集団となっている人々の物語が展開されるグループクエストも本編とはまた違った面白さがあったね…とはいえ、前述のマップ再訪のめんどくささから、クエストを進める為に往復するのはキツかったです。完遂したクエストの依頼人が具体的にどこにいるのか、マップではわからない仕様だから余計に…

 

 

■埋まらなくなったけど気になる…
キャラクターエピソードで突如部長が地面に埋まる事がなくなったので、安心して物語に集中できました。しかし、ニンゲンの欲望は尽きないものであり…キャラのグラフィックが…ちょっぴり気になる…今回はムービーでのイベントシーンがあるから余計に…でも、キャラの表情や、リドゥの街並みのグラフィックや、小物のグラフィック…と、こだわりが全く無いという訳では無く、もっとでっかい事情がありそう…という事は伝わってくるわけであり……とはいえ、前作より良くなった分、ちょっぴり気になるだけで、普通に遊ぶ面では問題無い事だけは重ねて書いておきます。

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街並みはいいんだよなぁ~



 

 

 

ダラダラと語りましたが、今作もグッサリじんわり心に残る、面白いゲームでした!!

仮想世界から現実への帰宅を目指す…という目的は前作と同じなのですが、前作ではやっていなかった学園生活をしながらの『部活動』の両立に重きを置いた物語は個人的にはどちらかと言えば前作よりも好きだったりします。(もちろん、前作には過激で刺激的な、唯一無二の魅力があるわけですが…)

…扱っている内容や世界観がなかなか尖っていて、ゲームとして人を選んでオススメしにくかった前作と比べ、今回は時代に合わせて言葉のナイフの尖り方は柔らかくなったけど、切れ味と振り回し方は前作よりテクニカルだった気がします。まさに『今』という時代に合わせて作られた続編とも言えるでしょう。だからこそ少しでもこのゲームが気になった方は『今』遊んで欲しいなぁ〜と思います。ニンゲンの、いや現代人の心変わりは相当早く、今は『良し』とされている価値観が数年後にはまた変わっているのかもしれないから…

 

 

 


☆余談、2とつくなら前作から遊んだ方がいいのか…?について。

続編なので、世界観という観点からは前作の知識があればより楽しくなる……のですが、帰宅部の面々と『同じ気持ち』を共有したいという気持ちの面で言えば、いきなり今作から遊ぶのもいいんじゃないかと思ってたりします。また、過剰に過激な言動が苦手…という方もいきなり今作から遊ぶのもアリだと思います。平成から令和へ時代が変わってしまった昨今、前作は本当に人を選ぶ気がする(個人感)ので…
前作を遊んだ人が苦しむような伏線、初見の人だからこそ妙に引っかかる伏線…このゲームはどんな人の首根っこにナイフを突き立てて静かに迫ってくるような、確固たる下準備がいろんなトコロに仕込まれています。ですので、『わからない用語があっても特に困らない』『大きな物語に振り回されてみたい』という方は気になるのであればぜひ遊んでみてください。逆に『わからないことがあると萎える』って方は前作からどうぞ。

 


無責任な私が言えるのはこれぐらいです。『後悔なき選択』をーー