月夜の判然

適度に適当に長い文を置いておく場所です

【途中からネタバレ有り】ライブアライブ(LIVE A LIVE) 感想

何かと有名なタイトルのゲーム。3DSでのVC版配信の時に購入しつつ、積みゲーにしていたら、なんとリメイクされました。それなら今が遊び時だッ!!と、一気に遊んだので初見の人間による感想を。私にしては珍しく、序盤はネタバレ無しの感想、中盤は各編についてのネタバレ有りの感想、終盤はエンディングのネタバレ有りの感想…の三段構えでお送りいたします。

 

 


☆どんなゲーム?

~公式サイトはこちら~

 

www.jp.square-enix.com

 

舞台も目的も違う、8人の主人公による、オムニバス形式の物語。それぞれの主人公の達成したい目的が違うので、ゲーム内容も「いやいや同じゲームなのかよ!!」と驚くほどガラッと変わり、毎度毎度ビビらされるのでした。詳細が気になる方は公式サイトへGo!!

 


☆HD-2Dで感じる『実家のような安心感』ッ…!

奥ゆかしい奥行き

 

オリジナル版はスーパーファミコンで発売されていたので、今回のリメイクにあたってはドット絵と3DCGが融合した『HD-2D』という技法が使われています。コンパクトながらも質感のある風景、キビキビ動くキャラクターのドット…いいねぇ〜と思うのと同時に、こみ上げてくる謎の安心感があります。そう、ゲームボーイアドバンスのゲームをバリバリ遊んでいた世代にとっては『実家のような安心感』があるわけです…!なんでだろうね??長らくゲームを遊んできて、過去のゲームのリメイクはオリジナル版が好きだった世代の人々と、まだ遊んだことの無い世代の人々を繋ぐものだと思っているのですが、今回のリメイク版は『ゲーム歴が長いけどたまたま遊んだ事がなかった』人にとってはこれから始める絶好のチャンス…なのかもしれません。

 


☆BGMがスゴいッ…!

オリジナル版のBGMをフルアレンジで収録されています。グラフィックが綺麗になったのに負けない…どころかソレを越える勢いの豪華な音楽…がゲームの体験をより強烈にしているような気がします。バラエティ豊かすぎる各編のバトルBGMも印象的だけど、ゲームを知らずともタイトルだけは聞いたことのあるMEGALOMANIAもかなりスゴかった…流れるタイミングが完璧すぎるんだよな、コレが…!!

 


☆ボイスがスゴいッ…!

豪華声優陣によるボイスが収録…とのことですが、これが本当に豪華。あんなゲームやあんなアニメで聞いたことある方々の名前が、バンバン出てくる。スゴい。そして、初見のキャラクターのイメージ通りのボイスが流れてくる…!!本当に登場時に「おっ、こういう雰囲気かな…?」と思った通りのボイスが流れてくるんですよ…!個人的には量も丁度いいと思います。あんまりボイスが多いとゲームのテンポが悪くなると思ってる人間なので。

 


☆共通バトルシステム『チェッカーバトル』のクセが強いッ…!

慣れてきても油断すると全滅するという…

 

ゲーム内容はバラバラなのですが、バトルシステムは各編共通のモノとなっております。7×7に区切られたマス目に敵味方が入り乱れて配置され、戦っていくのですが、行動はターン制。なんだけど、行動ゲージ制が貯まったキャラから行動ができるタイプです。自分の攻撃はもちろんの事、自分の移動でも敵の行動ゲージが貯まるので迂闊に近づけば相手の攻撃に蜂の巣にされたりも…しかし自分が繰り出す技の範囲の関係で近づかないといけないし…といった面もあり、慣れるまで妙な緊張感がありました。
そもそも物語を遊んだ順番によってバトルに『慣れるまで』で大きな差が出てきそうだよね…!?

 

 

 

オリジナル版を強化したリメイク…といった感じで、時々「わ…わからんッ…!!(ググる)」となりながら遊んだのですが、そうは言いつつも当時遊んでいない世代にとってはかなり遊びやすく、楽しいゲームでした。名作を遊ぶ機会ができた事に改めて感謝しております…!!

 

 

 

 

↓↓以下、本編のネタバレについて語ります。タイトルを知っていて興味がある方、これから遊ぶつもりでいる方はここで読み終えてゲームを遊んでくれよな!!↓↓

 

 

 

 

【ネタバレするぞ!】各編の感想を書くッ…!

最後まで遊んだ割には妙に当たり障りの無い感想文だなって……?ここで終わるわけにはいかねーよな!!各編の感想、行くぞ!!(ここから先は完全なるネタバレとこの文を書いている人間の『クセ』が強く出る文章となります。ご注意ください)

〜遊んだ順番に並べてみました。順番の決め方はツイッターで見かけたプロデューサーさんのツイートを参考に。なお近未来編だけはパッと見て明らかに好きそうな気配がしまくっていたので最後に回しました〜

 


□西部編
ー賞金首サンダウン・キッドは訪れた町にて無法者の退治を依頼される。夜明けまで罠を仕掛けて襲撃を迎え撃て!ー

馬で駆ける荒野。カラッカラの町。無法者に脅えて暮らす人々。小物っぽいヤツからおごられたミルクはそのままそっくり『返す』し、いちゃもんつけられたら『消えろ』と言い放つ。気分はそう、西部劇ッ…!!
このゲームの事が全然わかっていないで状態で罠をかき集めてふんわり設置していたので、ボス戦では7人くらい取り巻きが残っていた…荒野の無法者は厳しいぜ…!!(でも拾った回復アイテムごり押しで勝った)一時休戦で協力したマッド・ドッグと最後は決闘で締めたのも良かったと思う。荒野の男と言えばやっぱり決闘だからな…!

 


□SF編
ー地球への航行中の輸送船。エンジニアのカトゥーによって作られたロボット・キューブは船内で起こる悲劇に巻き込まれていくー

基本的にバトルが無い(厳密にはあるっちゃあ、あるけど…)という思い切った作りの話。というか、船内で起こる事件の数々がマジで怖くてバトルどころではないんだよ…主人公がロボットなので、ノンストップな洋ドラのようにちょいちょい出てくる乗組員の感情むき出しの言動に「人間って〜〜!!」となってしまった。事件を経て生き残ったのが自分たちの感情を優先してしまった3人ではなく、あくまでも地球に帰るという船の運航を優先したカトゥーとダース伍長ってのがまた…そして、クリア直前で船長のデータ(乗組員に対する評価)を見ると『実はこのメンツでは調和のとれた運航なんて到底不可能でこの船は最初から終わっていた』事が伺えて、更にやるせなさが増大してヤバかったわ…

 


□現代編
ー目指すは世界最強。高原日勝はただ強敵と戦うのみッ!!ー

こちらは『バトルだけ』という思い切った内容の話。というか、画面が変わりすぎて「おいおい別のゲームが始まったんだが!?」と焦ったわ!!この時点でもこのゲームのバトルの事はなにもわかっていないので、初戦を突破するまで2回負け(ゲームオーバー)を重ねる事となる。とりあえず浴びせ蹴りでなんとかした。技を受けながら戦う…のが難易度を跳ね上げているんだよねコレ…でもやるんなら全部会得したいじゃん…
ただひたすら強さを求めると人としての道を踏み外しそうになる危うさもある…最後の戦いの前の会話や勝利後の展開だけでこの物語の言いたいことは結構わかりやすかった気がするような。

 


□原始編
ー言葉の無い時代。少年ポゴは少女べると出会い、そして…ー

言葉(セリフ)が無いッ…!!!けど、なんか言いたいことはわからなくもないッ…!!まだまだこのゲームのバトルの事がわからないので、ざきとのタイマン戦で詰んで最初からやり直しになりました。(ダサい)住処を追放された時は原始人キビし〜〜!!となったし、追放された場所の方が狩り場よりもやや強い敵がウジャウジャしている辺りもキビし〜〜!!となった。個人的にはポゴとゴリの関係が友達…ではなく、上下ハッキリしているのも良かった。原始人は厳しいからな…最後についてはお二人サン、お幸せに!!って感想が強かったし、実際幸せになっていたもんな…

 


功夫
ー心山拳老師は先が長くない事を悟り、後継者を探す事となった。3人の弟子のうち誰が後継者となるのかー

ゲーム的内容と物語的内容のバランスがめちゃくちゃ良く、総合的に一番好きな話となりました。とにかく、短いシーンの連続の中で師匠と弟子の出会い・修行の日々・志の継承…が詰め込まれていて、4人全員が魅力的に見えるんだよなコレが…!!だからこそ、弟子2人が命を落とす展開が辛かった…私も老師と同じく怒りに満ちたよ…!ちなみに後継者はユンを選びました(わかりやすいな…)いやぁ〜だって…あんな主人公ムーブを見せられたら…選ぶしか無いじゃん…!!老師が最初からクソ強いけど、戦っても経験値が入らない…というゲーム的仕様が『強さが極まっている・もう先が長くない』のを現していて素直に感心したよ…

 


□幕末編
ー炎魔忍軍の忍び、おぼろ丸。とある密命を受け敵の居城へ潜入する…目的さえ達成すれば方法は自由。さぁ、どうする??ー

忍者だから…しかるべき時には…斬るッ!!という気持ちで臨んだのに、13-1人斬りというクッソ中途半端ニンジャで終わる。いや、マジで屋根走って屋根から(途中で倉に寄って)城を登り続けたため、大半のイベントをすっ飛ばしてしまったようで…たまたま見つけた妖しい女性は斬ったけど。そのため幕末編終了時のエンドロールは知らない場面のオンパレードだったwwそれにしても…鉄砲ブッ放してきて、独特な訛りでしゃべり、剣をも振るうヤツが『謎の男』なわけあるか!どう考えても約一名しかおらんやろ…(正体バラシのシーンで「ですよねー!!」と思いながら)

 


□近未来編
ー今よりちょっとだけ未来…超能力を持つ少年アキラは事件に巻き込まれる。果たして古代のロボット魔神ブリキ大王は動くのか!!ー

「そうだろ、松ッ!!」…好きそうだなとは思っていたけど、キャラについては近未来編が好きだった。主にアキラが。初っぱなから『こちらに』向かって話しかけてきたのに面食らったし、この人…超能力者なのに妙にカラッとしていて、自分の力に関して気にしてる感じが無いのが…なんか変わってますよね…例えそういう話じゃないとしても。(近未来に超能力者が普通という感じでも無さそうだし)いかにも物理全開の不良少年な風貌と言動をしているのに、覚える技は相手にステータス異常を引き起こす物や回復といったややサポート寄りなところがMOTHER2のネスかよ!と笑っていたけど…中盤はいかに早くローキックを決めるかのバトルになっていたwwローキッカーじゃん!!あと、倫理観ガン無視の経緯で生まれたとはいえ、なんかタロイモにちょっと愛着がわいた。散々言われているけど、OPが歌も映像もやたら豪華で元気になってしまったよね!!ちなみに…余談ですが、ブリキ大王の起動実験の際、藤兵衛から部屋へ行く方法を聞いて「はぁ!?!?」ってマジで声が出たというwwこの辺りになれば、このゲームにはそろそろ慣れたと思っていたのに始終振り回されっぱなしである…

 


□中世編
ー勇者オルステッド、さらわれたアリシア姫を救うため、魔王を倒す旅へー

ライブアライブと聞いて真っ先に思い浮かべたのは、なんか有名な「あの世で俺に詫び続けろ」ってセリフがあるゲームだよな…だったんですが。実際にこのセリフを見ると…「なッ…………なんでだよ!?!?」と、ただただ衝撃的だった。その後の姫の行動も含めて。最悪を越えることなんてあるのかよ…というか、この中世編が『満を持して登場した王道RPGの世界』にしてはあまりにも様子がおかしかったのである。確かに景色はファンタジーのように綺麗。お約束の城も街もダンジョンもある。それでも城を旅立ってからずーーーーっと妙な居心地の悪さがこびり付いていたというか。それはオルステッドが最後までただただ『操作キャラ』の域を越えなかったような気がしてならない…わざとそうしているとは思うけど。いざ一人の『あの世界に生きるキャラ』になった瞬間、ヤツは魔王になってしまったというか…

 


というわけで、各編の感想おわり。珍しく本音強めな文章となってしまった…どれもこれも面白かったぜ!!

 

 

 

 

↓↓以下、本編の最終編・エンディングのネタバレについて語ります。遊んでいる途中の方はここで読み終えてゲームを最後まで進めてくれよな!!↓↓

 

 

 


【超絶ネタバレをするぞ!!】最終編といくつかのエンドについて

真エンドを見てから感想文を書き始めたって……?じゃあここで終わるわけにはいかねーよな!!最終編の感想、行くぞ!!それと特に言っておきたいエンドについても書いとくからな!!(ここから先は完全なるネタバレとこの文を書いている人間の『クセ』がとても強く出る文章となります。ご注意ください)

 

 

□最終編
ー舞台はすべて整った…バラバラの世界の主人公たちは一つの世界へー

これまでの主人公のうち一人を決めて始める最終シナリオ。誰を選んだかというと…アキラでした。うん、わかりやすいね!!
魔王山で待ち受ける魔王・オディオとの最終決戦。各地に散らばる仲間を連れ、最強装備も手に入れて…その手で魔王を倒せッ!!これまでバトルが無かったストーリーの分、バトルをしまくる勢いでバトルをした。というか、いろんなダンジョンで迷いまくっていたので魔王に会うころにはレベルが上がりまくっていた…先述の近未来編の感想でアキラの事をMOTHER2のネスみたいでローキッカーじゃん…とか言ってましたが、仲間がいると余計に立ち回りがサポート寄りになりつつも、終盤には超能力メインで戦えるようになりました。えっ!?すっげー!!サイキッカーじゃん!!

 


◇通常エンド
メンバーはアキラ・ユン・キューブ・おぼろ丸でクリア。キューブの強化が足りなかったせいか、序盤で倒れてしまい、結局3人で倒す事に…
最後まで憎しみの話をしていた魔王オディオはどこまで行っても魔王だった。彼は誰しもが魔王になると呪詛のように言っていたが、他の7人が(そういう要素を抱えているかもしれないけど)その憎しみに打ち勝つ事ができるって事を絶対に理解することができないのだろう…未来永劫、もう人というものを信じる事ができない…悲しいヤツだぜ、オルステッドよ…

 


◆SAD END
最終編でオルステッドを主人公に選ぶと、逆の視点で他の主人公たちに立ちはだかるボスとして散々大暴れした末にこうなる。やりたい放題やって満足したか??魔王さんよォ…!!彼としては自分の思うがままに行動したとはいえ、結局どこまで行っても悲しいヤツだったという事が更に強調されてしまった…そうだろうよ。
ここにきてオルステッドの『CV中村悠一』が効いてきて、そうなったのも納得の瞬間だった…チクショウ、全てはこのためだったのかよ…!!!

 


◇真エンド
通常エンドの状況からメンバーを変更し、アキラ・ユン・おぼろ丸・日勝に。いったい何の集団だよ。しかもまたもや迷っていたのでレベルも上がりまくり、ラスボスは比較的ボッコボコだった(ヒドい)
最後に全員でフィールドに上がって技を出す展開に胸がアツくなったし、最後の最後でオルステッドに剣を振らせるのにもなかなか心がヒリついた。だからといって彼が結局許されるわけではなく、最期自体は変わらないのも良かったし、通常エンドで呪詛のようになっていたセリフが遺言ぐらいに意味合いが軽く(?)なったのも良かった気がする。重荷を降ろしたというか。でもやっぱり悲しいヤツだということは変わらないんだよな…むしろそれでいい気がしてくるのも不思議なところ。
そして、オルステッドに対しての最後のアキラのセリフがすごい説得力があって…めちゃくちゃ心にきたわ…人の心が覗けて運命は自分の手で決めるモノと考えるアキラが、運命に飲まれて人であることを捨てたオルステッドにああやって言うのがまたさぁ…!!!

それと、各々の世界へ帰る最後のシーンのアキラのセリフが、近未来編の最初の彼の質問に対する彼自身の答え…ってのが粋だと思いました。それがわかっているってことはこの先何があっても彼は魔王になることは絶対無いだろうからさ…

 


これ、他のキャラを主人公にしても胸がアツくなるんだろうな…

 

 

 

エンディング曲やクリア後のオープニング画面など、最後まで遊んだ人に最後まで楽しめるような、おまけのサービスをしてくれる。このゲームの本気なリメイクとその粋な心がけが、ファンから長く愛されるゲームになったんだろうな…と思わずにはいられません。こうやって遊べる機会を作ってくれて………サンキューな!!!!!!!!

 

こういうの、大好き。