月夜の判然

適度に適当に長い文を置いておく場所です

【気持ちネタバレ有り】2064:Read Only Memories INTEGRAL 感想

たまにはアドベンチャーゲームでも遊ぼうかな…と思っていた矢先に、続編が発売したので、積みゲー群から引っ張り出して遊びました。ひとまずクリアしたので感想を。
アドベンチャーゲームというジャンルの性質上、ゲームの内容に言及するのもネタバレの一種かもなぁ…と思うので【気持ちネタバレ有り】という表記にしております。ただし、本編の大きなネタバレはしないつもりです。これから遊ぶ予定の方はご注意ください。


☆どんなゲーム?

store-jp.nintendo.com


2064:Read Only Memories INTEGRAL(以下2064ROM)はアドベンチャーゲームです。
舞台は2064年、ネオサンフランシスコ。ROMと呼ばれるロボットの普及や、サイバネティクスや遺伝子操作といったテクノロジーが大幅に進化していく一方で、そこで暮らす人間についてはちっとも変っていない世の中。しがないジャーナリストの主人公の元にチューリングと名乗るROMが不法侵入してくることから物語は始まります。主人公の友人でもあり、チューリングの開発者であるヘイデンがさらわれたので捜索を手伝って欲しい……と協力を求めるチューリングとコンビを組み、捜索に乗り出すわけですが…果たして一人と一体の行く末はいかに…!!といったお話です。

 

 

 

☆面白かったところ

○まさに因果応報!?行動の結果は…主人公次第!?
アドベンチャーゲームなので、主人公は物を調べたり、関係者から話を聞くことができます。

なるほど…

なるほど…

んっ…??

……そうです、なんとこのゲームは植物や無機物まで話しかける事ができます。傍から見ればなかなかに不審な行動ですが、テキストの種類も複数あるもんだから、これが面白くて……やめられない!!
また、モノに対する行動や、会話を進める選択肢も複数あります。自分の思うままに選択するも良し、理想とする主人公像に合わせて選択するも良し。その結果は…後々になってわかることでしょう。

私はいつだって正気だぞ!!

 

○頼れる相棒か!?口うるせぇ相棒か!?チューリングに親しみを持つかどうかは主人公次第!?
主人公と共に行動するチューリング。秘密裏に開発され、他のROMとは一線を越えた存在でもあるヤツは、ある意味『箱入り娘(息子かも?)』な状態のため、最初は「なるほど…主人公の行動次第でいけない事を覚えたりしちゃうんだろうか…?守ってあげないと…!」と、思っていたのですが…

なりすましてる…

『お役に立ちますから任せてください!』と言い出した後のこの行動で「うわっ!コイツやべぇ!!」と若干引きました。よく考えたら最初の出会いも不法侵入だったわ…

かわいい。

その他にも、日常会話でのお茶目さや、生みの親のヘイデンを恋しがるなど…ちょっとカワイイ部分も見せつつも、会話の選択肢によっては時々主人公を突っぱねるようなとんでもない事を言ってくるので「お前のこと、本当に信じていいんか!?」と不安になる事もありましたが…なんだかんだで親しみがわくヤツだったのでした。一緒に居て楽しかったぜ…!!

時々こんな事言ってくるけどな!!

ちなみに…当人によると性別は特に設定されてないようで、決めかねている様子。だから私もある種の親しみを持って『お前』とか『コイツ』とか呼んでたわけですが…(ヒドい)

 

○誰を信じればいいの??個性的な人々との関係は主人公次第!?
主人公とチューリングは捜査の過程で様々な人物に会い、話を聞いたり、協力を求めたりします。そしてその相手も見た目と発言、態度だけでは信頼できうるのか、敵となりえるのか…一筋縄では判断できません。そんな奴らと話を進めるために、穏便に会話をするか、過激に煽るか、様々な根回しをするか、それとも『実力行使』をしちゃうか……主人公の行動や発言の選択肢の幅は結構広かったりします。そしてそれに対する結果も様々だったり…頑張ろう!!

そうだよね…(別の方法にした)

せっかくなので、特に主人公たちに協力してくれるメインキャラの印象を軽く残しときます…
・レクシー:主人公の身内の知り合いで警察官。正義感はあるが、けっこう柔軟な考えを持つ人のため、正直に話せばわかる人…という印象。(ただし警察官なのである程度の加減は必要である)もちろん主人公がやらかすとキッチリ怒ってくる。知り合いボーナスが発動しているのか、どうも主人公に対して激甘な気がしてならない…(気のせい)とはいえ、カッコいい大人である。

まぁ、カッコいいんだけどね。

・トムキャット:ヘイデンの知り合いでチューリングの事も知っていた人。ハッカー。主人公たちに対し、協力的でフランクな対応をするものの謎が多い人物である。このゲームで遭遇する人物は、胡散臭くてやりにくい人々があまりにも多いため、ある意味気持ちよく信じさせてくれる、彼女のような人物は貴重である。ある場面では彼女にとって大事な話もしてくれたりする…内容はヘビーだが、これを話してくれたという事実はなんか良かった。

行動力がありすぎる…

・ジェス:ハイブリッドの弁護士。その難しい立場と職業上、うやむやな態度で挑むとマジでおっかない。私は初手でしくじったので、彼女と会話する場面では常に謎の緊張感があった。とはいえ、下手に隠し事をせず、真っ当に対応して対価も示せばしっかり仕事をしてくれるので、たぶんいい人なんだと思う。彼女の口から語られる過去が壮絶すぎて聞いた方が申し訳なくなる。敵にすればマジでおっかないが、味方にするとマジで心強いタイプの人物。

厳しいぜ……

 

 

☆どことなくレトロな表現とレトロなシステムの良し悪しについて

世界観は未来のサイバーパンクでも、このゲームのグラフィックやBGM、システムについてはどことな~~くレトロなゲームを彷彿させるものだったりします。残念ながら私はその世代ではないのでその『○○っぽい』を具体的に表現することはできないのですが、これはこれで味わい深いモノを感じたり。
特にチューリングがわかりやすいのですが、画面内で喋るキャラクターの表情豊かさだったり、英語のボイスが付く事により(英語が全くわからずとも)セリフに伴うキャラクターの感情が伝わってきたりするので、古臭いとは全く感じませんでした。
ただ、システムの面についてはやっぱり地味に気になる…と思うもので、特にセーブや分岐周りについては『セーブスロットごとに・セーブの度に名前を付けないといけない』『エンディングや物語に分岐があるであろうにセリフのスキップや早送りやチャプター選択が無い』『バックログが無い』と、不便さについてはもったいないなぁ…と思わずにはいられません。いや…レトロさを追求したのでそういうゲーム…だと割り切ればいいのだろうけど。

 

 

☆どこかで見たことあるような…??

あれ…どこかで見たことあるような…??
それもそのはず、実はこの2064ROM、あの有名なバーテンダーゲームのVA-11 Hall-Aと世界観を共有していたりします。なので、VA-11 Hall-Aを遊んでいると『ん…??聞いたことあるぞ…??』なモノがちらほらと。開発者が異なるのに、世界観を共有するなんて…驚きですよね。
ちなみに…VA-11 Hall-Aの方でもその『逆』がありますので、片方だけ遊んだことがある方はぜひとも両方とも遊んでみてください。なかなか味わい深いです。

あれは…!!



 

サイバーパンクな世界観で、連続ドラマを観ているかのような物語を進めていくのはとても面白かったです。いろいろとクセが強いゲームのため、万人にオススメ…はできないのですが『この手』のモノがイケるぞ…!!とピンときた方はぜひ遊んでみてください。