月夜の判然

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【後半ネタバレ有り】リードオンリーメモリーズ:ニューロダイバー 感想

前作をクリアした勢いで続編であるニューロダイバーも遊んだので感想を…個人的にはとても面白かったです。
今回は前半はネタバレ無しの感想、後半からネタバレを含んだ感想となりますので読まれる際はご注意を…

 

☆どんなゲーム?

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リードオンリーメモリーズ:ニューロダイバーはアドベンチャーゲームです。
舞台は2070年、ネオ・サンフランシスコ。前作から少し時が進んだこの世界で、新たな主人公であるES88はその相棒・ニューロダイバーと、その護衛のゲイトと共にとある事件を解決するべく奔走します。その事件現場は……人々の記憶の中!?そう、ES88は人の記憶に入り込むことができるエスパーだったのです!!人々の記憶を損傷して渡り歩く、事件を引き起こす元凶、ゴールデン・バタフライを追った先にあるものとは…果たして彼女はどうなるのか…!?といったお話です。

このヘンな見た目の人工生命体・ニューロダイバーは超能力を持っているぞ!!

 

 

 

☆面白かったところ

○活き活きとしている!?キャラクターの描写・演出がイイ!!
今作ではグラフィックがパワーアップ!!…とはいえ、現代の基準で行けば、まだちょ~っと懐かしい感じの域になるのですが。特に複数人のキャラクター同士の会話シーンではES88の表情もコロコロと変わっていって、見ているだけでとても楽しかったです。カワイイね!!!

前作よりもとても賑やかになりました

 

○クールでカッコいい!?魅せてくれるぜグラフィック!!
どことなく未来的なネオ・サンフランシスコの風景。前作から画面構成が大きく変わった事により、その風景もより鮮やかに、よく見えるようになりました。よ~く見渡してみると、小ネタもたくさんあるぞ…??

夜景もバッチリ!!

もちろん、ES88が事件解決のために飛び込む事となる、人々の記憶の世界の描写も彩り豊か。こちらは『現実』では無い分、限定的な場面でもより強烈で刺激的な光景が我々に襲い掛かってきます。

化粧室の描写がマジでカッコよかったんだよ…

まるでアニメのようにパリッとしたグラフィックで描かれる本作の世界。そのおかげもあり、今見ている世界は現実なのか、それとも記憶の世界なのか…ES88を通して世界を見ている我々も、その境界が揺らぐような気持ちにさせてきます。

 


☆前作から比べると気になる…?

主人公が変われど、続編なのでどうしても前作の事が頭の片隅にあったりします。感想として『気になる…』部分を挙げておきますが、単に『気になる…』だけであって『だから前作が良かった…』というモノではありません。今作では今作で良いゲームだと私は思ってますので、悪しからず。

 

○狂気のシステムから普通のシステムに?簡略化された部分の良し悪し。
前作では調べられる物や人物に対して選択した後、『見る』『アイテム』『さわる』『話しかける』事ができましたが、今作では『選択するだけ』となっております。そのため全体的なテキスト量が減ってしまい、ちょっと寂しい気持ちになりますが……まぁ、前作がイカれてたテキスト量でしたし、ES88が無機物に対して話しかけまくる…のもなんか嫌ですので、これはこれでいいんじゃないかな…とも思えたりします。

ES88のかわいいコメントもありますし…

また、前作では最終的に因果応報を食らうような主人公の選択肢の数々にだいぶ翻弄(?)されましたが、今作ではその数は減っております。テキストの差分としてのボリューム感が差し引かれている面もありますが、その分妙な緊張感は減ったので、勢いに身を任せて遊べた印象です。

決めゼリフは大事ですし…


○もうちょっと見たかったかも…ついつい比べてしまう、ボリューム感。
具体的には言えないのですが…連続ドラマを観ているかのボリュームだった前作に比べ、今作は1クールのアニメを観ているかのようなボリューム…といった感じでした。コンパクトに収まっていて、忙しい現代人にはちょうど良い気もしますが…登場人物が魅力的だからこそ、もっと彼女たちの活躍を見ていたかったな~と思うのも事実です。ゲームに対してのコスパを気にする方はご注意ください。


○どうしても気になってしまう…!!『矢印』の存在感。

物を調べるためのカーソルでもあるこの矢印、調べた後に会話ウィンドウが出ても引っ込まないのが地味~~~~に気になるんだよな……(妙に気になりすぎて、いちいち右端や右下などに動かしていた)

 

 

続編なので、世界観や登場人物への理解については前作を遊んだ方がより楽しめるのですが、前作を知らないとある意味ES88と同じ気分で人物や物事に対峙できるのかな…と思ったり。全体的なボリュームはややコンパクトな感じですが、グラフィックや世界観、キャラクターを見てピンと来た方はぜひ遊んでみてください。

 

 

 

 


―――――ここから先は本編のネタバレを大量に含みます。ご注意ください。―――――

 

 


☆地味に個人的に好きなトコロ

○異常な世界を覗くからこそ、日常がより輝くような…

起床!!出勤!!

本編は数日間に渡る出来事なのですが、その間の起床→出勤→お仕事→帰宅のシーンはキッチリあったりします。出勤時のエレベーターの中でゲイトとちょっとした話をしたり、うるせぇ受付ROMをあしらいながらタイムカードを切ったり、頼れる同僚や困った同僚と軽口を叩いたり、上司の指令と自分の信条との板挟みになったり…ES88はエスパーなので超能力を使った非日常を生きるわけですが、だからこそこのような日課や日常に対する彼女の反応が、かけがえのないモノに思えてきます。あと単純に職場環境が割と良さそうで羨ましいぜ……(とはいえ、この大企業もたいがい怪しい部分もありそうだが…)

 

○言ってる事はわからないけど、あって嬉しい英語ボイス…

今作も英語ボイスが付いております。相変わらずその内容が全くわからないのですが、やっぱりあることによってキャラクターの個性がより際立つものです。ES88のお茶目なところや、ゲイトのクールなところなど…テキストを補強するような形になるのはとてもいいですね。全然関係無いのですが、英語がよくわからなくても、チューリングの声優さんの兼ね役が一発でわかったのはちょっと面白かったです。個性強すぎじゃないッスか…??それにしても一部ボイスが聞きづらい(音量が小さい)キャラクターがいるのは、気のせい…??

 


☆登場人物について言いたいことを言っておこう!

前作同様、相変わらず個性的で魅力的な登場人物たち。特に語りたい何人かについて、語っておきます。

 

○ES88
本作の主人公。ちょっと変わった見た目に驚いたけど、すぐに慣れた。若干のオタク感もあるので、時々『わかる~!!』となる部分もあったり。超能力という人並外れたチカラを持っているものの、そこからくる繊細さと優しさ、お茶目でカワイイところがあるので、モノを調べて出てくる彼女のコメントはとても楽しかった。だからこそ、物語がクライマックスに近づくにつれ憔悴していく彼女を見るのはツラかったな……
もっと活躍が見たかったな~と思わせてくれる、魅力的なキャラクターでした。

エスパーだけど、この軽さがクセになる…?

 

○ゲイト
ニューロダイバーの護衛なんだけど、ES88の事も大事に思っているいい人。あまりにも落ち着いているので保護者の域に達している気もしなくはない。インパクトある見た目だけど、見た目通りにクールでカッコいい…かと思えば、サラッと冗談を言ったりするのでES88との掛け合いは面白かった。事件の特性上しょうがないとはいえ、『物理』で活躍するシーンも見たかった…かもしれない。

くうぅぅ~!!カッケェぜ…!!

 

○トレース
有能で頼れる同僚。ES88とは仕事だけの関係ではなく、オフでも仲良くやっているようで。真面目な話から軽口まで、ES88と会話するシーンはなんか良かったです。

仕事もマジで速い。


○レクシー
前作で警察辞める…と聞いて、どうしてるかな~と思ったら、ちゃんと私立探偵していて安心した。彼女の記憶を見る限り、もともと彼女の信条とあの世界の警察とは合わなかったみたいなので、辞めて正解だろ…と、改めて思ったり。やはり柔軟な人なので、突如事務所に押し掛けたエスパーを名乗るご一行を信じるのもさすがだと思うぜ…!!

やっぱカッケェよ…!!

 

○トムキャット
前作で大変な目に遭っていたので、少しは大人しくしてんのかなぁ…と思ったら、相変わらずだった。そして前作よりイカした格好をしてビックリした。彼女の事を知っていれば、途中の決断は『消さない』の一択しか無いようにも思える。トムキャットの事だからそれ以上はやらない…と確信してるしな!!そしてトムキャットは会社の犬みたいな奴を一番嫌いそうだよなぁ~と思ってたら……マジでそんな感じだったよね…

ですよねー!!

 

チューリング
なんと自室をもらっているぞコイツ…!!!(驚くところ、そこなのかよ!!)いろいろあったけど、趣味をエンジョイして悠々自適な生活を送っているようで、なんか安心した。ヘイデンの写真について語る様子を見ると、ちょっと泣けてきますね…でも「恥ずかしいから見るな」と、トムキャットに言われている冊子を時々パラパラ眺めているあたり、コイツほんと変わんねぇな…!!と、笑顔になったり。

チューリングはオタクにウケがいいので…すなわち…?

 

○ジェス

前作でやらかしている身としては、ちょっとやりにくい相手…と思っていたので、今作ではメチャクチャ話しやすくなっていてビビっていた。こんなヤツだったっけ…??

ジェスに言われるのも相当な気がするぜ…

だから記憶の中でのこの発言で「こうでなくっちゃ!!」と喜んでいたり。とはいえ、彼女の記憶の一部を見ると、やはりキツめの言動の裏には確固たる信念がある…のを見られてよかった。(だからこそ、ぼやけた態度で挑むとキレてくるのだが…)でも弟子を取ってたなんて意外だぜ……

そうそう!これこれ!

 

アルフィー
前作で主人公がやらかしたせいで大変な事になったアイツ。元気そうだし、かなり立派になっていたので逆に「ホント!!マジでゴメン…!!」という気持ちが倍増した。

オシャレな帽子かぶってさぁ~!!

 


☆おまけ:マジで驚いた件

私が知らないだけで、いろんな作品からオマージュされたネタもあるようで。そして、どうもこのゲームはいくらかゲスト出演しているキャラと人物がいるようです。もちろん、いくつか知っているモノもありましたが、そのうちの一人があまりにも予想外な所から来ているので……マジで驚きました。本気で二度見しました。予想外すぎてビビったけど、よ~~く考えると『もしかしたら…居るかも…しれんな…』と思えちゃうんだよなぁ……

 

 

なんだかんだで、前作と合わせて個人的には好きなゲームとなりました。できればもうちょっとだけ、ES88とゲイトたちの活躍を見られると嬉しいなぁ…と思ったりします。なんでも……いいからさ!!