発売からしばらく経ちましたが、カルドアンシェルの本編をクリアしたので感想をお送りいたします。本編の大きなネタバレはしませんが、ゲームの盤面的には何かしらのネタバレになるかな…と思い【一応ネタバレあり】と書かせていただきます。
なお、私は難易度イージーでしか本編を遊べていないため、このゲームの面白さを三割程度しかわかっていない可能性があります。どんな風に面白いのかは…実際に遊んでみて自分の目で確かめてみよう!!体験版もあるよ!!
文末にはパッケージ版の特典として入っている『精霊機フレイリート』の感想も併せてお送りいたします。ゲーム内容的にもカルドアンシェルの文脈で感想を書いた方が良かったので…
☆カルドアンシェルとは?
カルドアンシェルはデッキ構築型のローグライトカードバトルRPGです。インディーズのゲームで近年よく聞く『カードで何でもやる系のゲーム』といった感じでしょうか。
主人公であるネオンはネットにまつわる事件を解決するゲーミングチェア探偵。ある日、開発中のゲームに他のゲームのキャラクターが現れる事件を追うことになるのですが…果たして彼は依頼人でもあるアンシェと共に、事件を解決することができるのか…!?といったお話です。

世界を揺るがすような重厚な物語が繰り広げられる…というよりは、ゲームの世界を渡り歩くネオンとアンシェのやりとりや、ネオンのゲームオススメ語りや、探偵らしくスマートに事を運びたくても(相手が話を聞いてくれなくて)結局バトルするハメになる展開…といった軽めのノリを楽しみつつ「インティ・クリエイツはすぐそういうことする…」を味わう物語だと思います。カードバトルと併せて楽しみましょう。
☆良かったところ
◇移動も攻撃も全部カードで!初心者でも楽しめるカードバトル!
バトルは自分の行動と相手の行動で別れるターン制。(敵のカウントが0になると自ターン中でも攻撃が飛んできますが)じっくりと考えて動くことができます。
カードの使い方としては、各カードに書かれている数字分の『コスト』を消費してダメージを与えたりする効果を使うか、同じく書かれている『移動方向』へ移動するか…の二通りになります。

自ターンで使用できるコストは基本的に『3』から始まるため、あんまり動けなさそうなイメージですが、カードには『0』コストの物があったり、使用する効果によっていろんな事が起こるので、説明を聞いて思っている以上に動けたりします。
個人的にはカードの効果の説明がみっちり書かれているのも助かりました。用語がすぐわからなくなるので…

◇条件満たしてライブスタート!ディーヴァによるサポート!
カードには『ディーヴァカード』という物がありまして、こちらはバトル中に条件を満たすとライブが発生。BGMも歌になり、ディーヴァ固有の強力な効果が発動します。これが…初心者でもわかるぐらいに…強い…!!条件もフツーに戦っているといつの間にか発動してたりするものから、結構意識してカードを回していかないと使いこなせないものまで様々。本編のダンジョンではそこで手に入るカードでだいたいディーヴァが発動するような効果の物が集まってくるため「どんなにバトルしても全然ライブが発生しないよ~」とならないのも嬉しい。

◇…以上が合わさると爽快にぶっ壊れますが、これも仕様です。
多種多様なカードの効果、ディーヴァのライブの効果、そしてカードの効果もライブの効果も複数組み合わせることができるので、最終的には自分の攻撃がずっと続いたり、ものすごいダメージを叩き出したりする……『ぶっ壊れ爽快カードバトルRPG』と称するだけあって、これも仕様なんですって!!
なお、私は初心者なのでちょっと数字が大きくなっただけでも喜んでましたが、上級者は更にハイレベルな遊び方をしているようです。幅広く遊べていいですよね~

◇毎ターン騒がしい!?カードにボイスがついている…!?
カードには全てボイスがついていて、なんか…しゃべります。
入手時や使用時、はたまた自ターン開始時など…(実在・架空問わず)出典元ゲームでの固有の名(迷)台詞だったり、同シリーズ内のキャラなら掛け合いが始まったり…カードバトルゲームなのに、RPGの戦闘ばりにボイスが流れて…めちゃくちゃ賑やかです。特に迷台詞と迷台詞が妙なベストマッチをしたときが地味に面白かったりします。なんでだよ!?

◇おっ、このキャラいいな……実は存在しません!架空のゲームキャラクター
ネオンが遭遇する他のゲームのキャラクターが現れる事件…この『他のゲーム』についてはインティ・クリエイツが手がけたゲームタイトルの他に、この世には存在しない『架空のゲーム』が含まれていて……というか、ほとんど『架空のゲーム』だよ!!架空なのに世界観やキャラクター、はたまた世間でのそのゲームの評価(もちろん架空)が凝っているし、架空なのに主題歌や挿入歌が存在するという…なんでだよ!?

◇クリア評価が出るものの、何ターンかけても最後にボスが倒せればよし!!
このゲームでのダンジョンのクリア評価はターン数で決まります。とはいえ、評価が決まるだけなので、あまりカードゲームが得意でなくてもバトルを繰り返しカードを集めたり…としっかり強化してからボスを倒す…でもOK。初心者としては最後まで楽しく遊べて大助かりでした。

☆ちょっと困ったところ
幅広い難易度設定のおかげで初心者でも楽しく遊べたため、大きな不満は無いのですが…初心者なりに「ちょっと困るなぁ~」と、地味に気になるポイントがあったりします。個人の感想として残しておこう…と思ったところ、そのいくつかは12月24日に配信されたアップデートで大半が解消しました。ありがたいね!?…というわけで、それ以外に残った事を書いておきます。
◇必殺技をキャンセルしようとして移動してしまう…
どうも私だけかもしれませんが…『カードを必殺技で使おうかな…?と思って必殺技ボタンを押して効果を見る→やっぱりやめた!』となった際、キャンセルしようとついBボタンを押してしまい『移動』で使用することになる…という凡ミスが頻発しまして。これで逃したチャンスは数知らず。


他の情報を見る画面ではBボタンでキャンセルになるので流れでついやってしまうんだよなぁ…操作オプションでいいからどうにかしてくれる嬉しいけど、少数派かもしれない…
◇たぶんそういう使い方をするんだろうけど…
カードの効果とディーヴァの効果を組み合わせてバトルするこのゲーム。確かにチュートリアルではその『基本的な使い方』は教えてくれるんだけど『どういう風にすれば効果の組み合わせがぶっ壊れレベルに乗るのか』までのヒントはゲーム内では意外と教えてくれません。(紙・ゲーム問わず)カードゲーム慣れしている方は共通認識として理解している一方で、カードゲームそのものにはあまり馴染みのない初心者ではここがイマイチわかりにくくて…そこを実感するのが少々大変でした。
幸い、カードのテーマごとにわかりやすい解説をしてくださっている方がいたおかげで、ゲームを進める上でとても助かりました。この場になりますが、感謝の意と共に紹介させていただきます。
ちなみに、超絶初心者にとって最後まで非常にお世話になったのはこのカードです。

他のカード効果やディーヴァ、チートコードとの組み合わせで『0コストで何度でも攻撃できる!』…が『ぶっ壊れ』の体感として一番わかりやすかったです。(こんな認識でも本編はちゃんとクリアできます。ご安心ください。)
☆シュミがバレる!?個人的にグッときた架空のゲームと曲
実在のゲームと架空のゲームが入り交じる本作。せっかくなのでグッときた架空のゲームと曲について挙げさせていただきます。なんというか…シュミがバレますね…
◇架空のゲーム
◆プレジデント・エクス・マキナ
全体的にイカれた設定がつよい。ゲーム内でのエドガーとスターフォース・ワンの頭が痛くなるような掛け合いが個人的にはツボでした。でもインティ・クリエイツが作ったら、むっずかしいゲームになるんだろうなぁ…
◆トライアングルマイスター
ゲーム設定としては面白いけど、倫理的にはどうなのか!?と心配してしまう、これぞインディーズゲーム…みたいな内容が強烈すぎる。でもシステム的にはちょっと遊んでみたい。ちなみに私だったら…ロゼかなぁ……
◆キズナコネクト2
私はたぶん2の方が好きそうな気がするんだ…!!クリア後シナリオで胸アツになる気がするんだ…!!(そして難易度が高くて途中で詰みそうになるような気もする…)
◆エスケープコード
ディストピア世界でハッキング…今年は『そういうゲーム』を遊ぶ事が多かったので…でもアクションシューティングは苦手ジャンルなんだよなぁ…(架空のゲームだって)
◇架空のゲームの楽曲
◆マジカルMotion
この懐かしいアニメのエンディング曲を感じる雰囲気がスッゲー印象に残るんだわ…
◆Glory to Me
過剰な力強さを感じる曲調が良い。英語に明るくないけど、たぶん歌詞も過激だろうな…と思わされるのもゲームの世界観に合ってて良い。
◆Star Princess
ドタバタしているコミカルで慌ただしいリズムと、かわいい歌詞と歌い方が良い。音ゲーで遊ぶと楽しそう。
◆You Are The Reason
全てから『本気(マジ)』を感じる曲。フルバージョンが一番欲しいと思った曲。
ディーヴァの歌については、限定版封入のCDやSteam版で販売しているサウンドトラックに『架空コンピレーションアルバム』として全曲入っています。どれもマジで『おいしいトコをぎゅっと詰めました!』といった良さがあるので、みなさんもぜひ聴きましょう!!
フレイリートぐらいの『面白いトコを形にしました!』なボリューム感でいいから、架空のゲームを実際に遊んでみたいよね~
☆『精霊機フレイリート』の感想
精霊を信じろ、勇人!
精霊機フレイリートはカルドアンシェル内の架空のゲームタイトル…だったハズが、いろいろあってなんか実在するゲームとなりました。なんでだよ!!


架空のロボットアニメをテーマにして、90年代のノリで往くスチャラカ冒険活劇…という趣旨のゲームらしく(90年代のノリにそこまで詳しくない自分でも)はじめて見るのになぜか無性に懐かしい気持ちにさせてくれます。それは映像やギャグのノリ以上に、こう…ゲームとしての『ちょっとごまかしの利く大ざっぱな雰囲気』にも出ているというか。

そしてこのゲームの面白さは『ゲームそのものの面白さ』以上に「これカルドアンシェルで見たヤツ!」となった時に大幅に加点される気がします。そうです、スマブラやった後にそのキャラが出る原作ゲームをやった時に感じるヤツと同じアレです。(同じなのか…?)
個人的に一番面白かったのは『吹き荒れて!!ウインシルフ!』がこっちでもメチャクチャ性能がヤバかったことでしょうか。何で違うゲームなのに同じ技に「頼むよぉ~!!」という気持ちになるんだよ!!

現代のゲーム観を持った上で、単体でこのゲームを見ると「えっ……?」と思う部分が多いので、カルドアンシェルとセットで『そういうゲーム』として楽しみましょう。なんだか感想になっていない気もしますが、私からは以上となります。
今まであまり遊んだ事が無いジャンルのゲームで不安があったものの、年内に本編クリアできてよかった…!(2025年の3月ぐらいまで)しばらくの間、アップデートキャンペーンで新システムや新機能の追加が予定されているようなので、今後も気軽な気持ちで楽しみたいと思います。